2008年10月18日土曜日

DNAの発見(その2)

DNA発見までの歴史を振り返ってみましょう。

1869年: フリードリッヒ.ミーシャー(スイス)がDNAを発見、1871年に発表したが、彼は細胞内におけるリンの貯蔵と考えていた。
1885年: A.コッセルがアデニンを発見。86年にグアニン、93年にチミンも発見。
1944年: オズワルド・アベリーらによって肺炎双球菌を用いて DNA が遺伝物質であることが証明される。
1952年: A.D.ハーシーとM.チェイスは、バクテリオファージを用いて、より正確な実験で、DNA が遺伝物質であること決定的になる。
(wikipediaより)
というような歴史をたどり、遺伝子の正体はDNAということがわかりました。

しかし、正体はわかったが、実際にDNAとはどのような形をしていてどのような機構でさまざまな遺伝現象や、タンパク質の規定などを行っているのか?これらの疑問を解く為の大きなブレークスルーを与える発見が行われました。

ご存知、「ワトソンとクリックによるDNA二重らせん構造の発見」です。

詳しいことは割愛しますが、この発見によりこれまでDNAについてわかっていた様々な遺伝現象をすべてうまく説明でき、解決へ導かれました。

この発見は同時に
生命現象は全て化学的な反応で説明できる」という革新的なパラダイムを与えたのではないか?と個人的には思います。

その後、DNAに書かれた遺伝情報からどのようにタンパク質ができて機能して行くのかがわかりました。DNAからRNAという別の鎖に情報はコピーされ、そのコピーをもとにタンパク質が合成される。このながれを「セントラルドグマ」といいます。

DNAには役に立つ情報ばかりではなく、全く役に立たない情報も含まれています。それはこれまで、ただの全く役に立たないもの、以外の何者でもないと思われてきました。

その考えですが研究が進むにつれてこの考えは大きく変わって行きます。

DNAに書かれている情報の中で、エッセンシャルな部分のことをゲノムと呼びます。研究者たちはゲノムを解読すれば、生命の情報をすべて文字で記述売ることができると考えてゲノムの解読、そしてその機能の解明に全力を注ぎました。

その結果衝撃的な事実が浮かんだのです。
なんとゲノムでタンパク質をコードしている部分は…たった3%だったのです!
では残りは一体何をしているのか?その解明の鍵となるある物質が注目されるようになりました。

RNAです。

ではなぜRNAが解く鍵となるのか?
そしてこの発見はどのような役に立つのか?

次回、書きたいと思います。

〔文責:H.S.〕

開催まであと4

※この予告ブログは、東京大学立花ゼミ・見聞伝の学生が企画・運営しています。

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